私が最近読んだ中でおすすめの1冊をあげるなら、
『国宝』(吉田修一 作)
6月6日に吉沢亮さん主演で映画化もされていますので
ご存じの方も多い作品ですよね
そんな私も本屋さんで吉沢亮主演のポップを見かけ興味をひかれ
読んでみると物語の登場人物の魅力にはまりほぼ数日で読了
歌舞伎は少しだけ見たことがある
そんな私が魅了された本作の魅力を語りたいと思います

■ 物語の背景とあらすじ
『国宝』は、昭和から平成にかけての歌舞伎界を舞台にした物語で
主人公の青年(喜久雄)が“芸”の世界に身を置き
人生を懸けて芸に生きる姿が描かれています
芸の世界で生きることの難しさ、
お家柄が重視されるなか、
芸の力で歌舞伎界を生き抜いていく
戦いの物語でもあるようなそんな気がしました
■ 魅力①:人物描写の深さ
登場人物は皆魅力的で良くも悪くも人間味があふれる描写がされており、
どの人物にも愛着が湧くそんな物語です
特に主人公・喜久雄の生き方は、
眩しくもあり、切なくもあり…そして孤独
様々な経験を積み、自分の生きる世界での
喜び、苦しみ、悲しみなどを同じように
そばで見つめているように感じられます
■ 魅力②:文章の美しさ
吉田修一さんの文章は派手な表現はないけれど、
しっとりと染み込んでくるような美しさがあります
感情を押し付けず、淡々としているのに
登場人物たちの心情が読み取れるような感覚になります
歌舞伎演目の描写も頭に情景が浮かび、
歌舞伎座で観劇しているように感じられ不思議な感覚を感じます
だからこそ美しい文章が歌舞伎演目とぴったりなんです
■ 魅力③:「芸」に生きるということ
「国宝」というタイトルの通り、舞台芸術という伝統と誇り、
そして個人の人生が交差していく様子が静かに、
でも力強く描かれています
芸を極めることがこんなにも孤独で、
何もかもを犠牲に生きることなのかと
感動とともに畏怖さえ感じてしまいます
■ おわりに
本を閉じたあとも余韻がすごく、
まるで喜久雄が本当にいたかのような気持ちでいっぱいでした
映画も近々見に行く予定です!また感想を伝えますね
映画を観て、原作に興味が出る方もいるかもしれません
そんな方にももちろんおすすめの一冊です
歌舞伎への興味や知識がなくても大丈夫!
感じるものがあるはずです
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